施設長の歯ぎしり

現在、特養ホームの施設長をしています。介護についてのよもやま話や日ごろの出来事などについて発信します。

介護給付費分科会などの審議会  

来年4月の介護報酬改定に向けて現在議論が行われています。介護報酬の場合は3年に一度、診療報酬は2年に一度行われますが、来年は介護報酬と診療報酬の同時改定となり大がかりなものになると見られています。


介護給付費分科会については何十回と傍聴してきましたが、各委員が順番に発言していくことで終わり、 議論というようなものではありませんでした。
それぞれが議事録に残すことを意識しており、 建設的に議論して何かを決めていくというような審議会ではありません。


老健局の職員も各委員ごとに担当が決まっており、審議会の前にはご説明と称して厚労省の意図する内容を発言してもらえるようアプ ローチしていきます。 厚労省の意に反する発言をするような委員には審議会の直前にならないと資料をもらえなかったり、 審議会日程のスケジュールに配慮してもらえないなどの嫌がらせがあると聞いています。


先ほど議論というようなものではないと書きましたが、 費用を収める側、支払う側、使う側と立場がバラバラであり、 1つの方向に向かって議論していくというのが、そもそも難しい審議会だと思います。


立場の違いという意味では昔こういうことががありました。 連合という労働組合は労働者の団体でありますが、被保険者の団体でもあります。 当時介護保険法の改正が審議されていましたが、労働者団体などは総じて反対していました。 しかし、連合の上部団体は法案の改正に賛成するよう密かに動いていたのです。つまり、労働者の団体として反対するよりも、被保険者の利益を優先して賛成にまわったのです。


連合も都道府県ごとに下部組織がありますが、 下部組織が反対である内容をなぜ中央の組織が違う動きをするのでしょうか。 今はどうかわかりませんが、
外郭団体で厚労省天下りを受け入れていて、 密接につながっていたことも大きく関係していた可能性があります。


連合だけでなく他の団体も天下りの受け入れや補助金の交付などで 厚労省とは密接につながっていたりしますので、注意が必要です。 議事録などを読んでおかしいなと思ったら裏でこのようなことがあると考えた方がよいでしょう。

2024年介護報酬改定

現在、 来年4月の介護報酬改定に向けて国の審議会で議論されていますが 、新聞報道では介護は引き上げなんて記事もチラホラ出ています。

 

11月10日に発表された経営実態調査で、 特養や老健はマイナス1%程度の赤字にはなっていますが、 訪問介護では7%、定期巡回サービス11% などサービスによりバラツキがあります。


国は社会保障費の自然増を5200億円に抑えるとしており、 その中でいかに財源を確保していくかになります。


 今回全体としてはプラス改定であっても、 サービスごとに下ったり上ったりのメリハリのある内容になるのは 当然ではないかと思います。


私も特養を運営する立場としては、人件費や光熱水費、 食材費などの高騰分は報酬でカバーできるようにしてほしいなど要 望はありますが、 客観的に無い袖は振れないよなという思いもあります。

 

ユニットリーダーの育成

今の施設では介護福祉士保有者が多いので、その中からやる気があってリーダーシップを発揮できる職員をユニットリーダーにしていくことができます。(厳密には介護福祉士じゃなくてもリーダーにしている施設は結構ありますし、以前の施設ではそうでした。リーダーになってから介護福祉士取ってもいいわけです)

ただ、そういう職員がいたとしても、リーダーは大変なのでやりたくないといって断る職員が多いのも事実です。そういった職員に対してはとりあえず3ヶ月なり、6ヶ月なりやってみて、嫌だったらリーダーを降りてもいいからと言って説得するケースもあります。

ユニット職員がリーダーが大変だと考える背景には、勤務調整をしないといけない、ユニットのケア方法やルールなどが整っていない、リーダー以外の職員が育っていない、施設内のルールが定まっていないなど様々な問題があるかと思います。リーダーになって任せきりにするのではなく、役職者は共に問題を考え、共に解決していくような伴走者の役割が必要です。

施設の運営側もリーダー会議などを通じて、運営ルールの統一など、リーダーが運営しやすい環境を整えていってあげることが必要です。

 

介護施設の採用活動

この1年間は欠員が生じていたため(私が着任した時には大量離職が決まっていたため)継続的に採用活動を行ってきました。

 

1年間の採用活動を通じて感じたことは、

・優秀な日本の若者はますます採用しにくくなってきた。

・短期で離職を繰り返すなど、採用困難な(特に紹介会社通じて)人が増えている。

認知症ケアを学びたいなど、目的意識が明確で、優秀な外国人が多い。

などです。

 

中でも、履歴書を偽装したり、メンタル疾患や腰痛などの疾患を隠して応募し、入職する悪質な事例も何件かありました。紹介会社も間接的に関わってるケースもあり、注意が必要です。

 

 今の職場では、ベトナム人が多いですが、記録や会話など日本語に若干見劣りはするものの、接遇面も良く、やる気があるので採用して良かったなと思います。

 

ですから面接においても、日本人は5人いたら1人しか採用できる人がいないのに対し、外国人は5人いたら3〜4人は採用できます。今こんな状況です。

 

はじめまして!ブログ始めました!

現在、某県の特養ホームの施設長をしています。年々経営環境が悪くなっているところに、コロナ感染や物価高が追い打ちをかけたようなものですね。本当に厳しいとしか言いようがない状況です。全国老施協が先日発表した調査でも6割の施設が赤字だというのも頷けます。

まあ、このような厳しい状況ですが、愚痴をこぼすだけでなく何か前向きなアウトプットもそろそろしていきたいと考え、ブログを始めることにしました。私自身、介護の世界とかかわり始めてもう少しで30年になりますが、過去を振り返りながら、現在位置や10年先まで考えていけたらと思います。よろしくお願い致します🙇